1on1を成功させるポイント-実施方法や代表的な11のテーマをご紹介-

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1on1を成功させるポイント

近年多くの企業が取り入れている人材マネジメント施策のひとつ、1on1(1on1ミーティング)。ただ上司と部下が1対1で面談すれば良いだけではなく、実際は多くのルールや効果を出すためのポイントがあります。

この記事では、1on1を取り入れてみたものの効果が不明だと感じている方や、やり方がいまいちわからない方に向けて、1on1の目的や具体的なやり方、実施する際のポイントについてご説明します。また、1on1で扱う代表的なテーマについて具体例をご紹介します。

実際に1on1に取り組まれている方だけでなく、今後1on1の文化を社内に浸透させたい人事の方も、ぜひ参考にしてみてください。

1.1on1の目的

1on1とは、上司と部下(チームリーダーとメンバー)が1対1で行うミーティング・面談のこと。昇進や昇給に関わる評価をするのための場ではなく、人材育成やコミュニケーションの場として、週1回〜月に1回の頻度で30分〜1時間程度行われます。アメリカのシリコンバレーから始まったとされる文化で、日本でも10年ほど前から積極的に取り入れられています。

1on1を取り入れる目的はさまざまですが、短期・中期・長期で整理してみると、大きく以下のような狙いがあります。

・短期:上司とメンバーの信頼関係の構築

何かあったときにすぐ相談ができることは、業務を円滑に進めたり、ミスを最小限にとどめたり、社内の重大な問題を早期発見したりする上で重要なポイント。しかしこれは上司とメンバーの信頼関係がないと難しいものです。正しい1on1を行うことで、信頼関係を築くのは大きな目的のひとつです。

・中期:メンバーの成果(仕事の質と結果)の向上

一人ひとりの業務の状況を細かく知ることができる1on1。それぞれのメンバーの業務プロセスとそれに伴う結果を知ることで、プロセスに見合った結果が出ているのか、どうすればもっと質の良い仕事が可能になるのかを、一緒に考えたりアドバイスしたりすることができます。メンバーの成果をあげることは1on1の最も大きな目的であり、この目的のためにほとんどの時間を使います。

・長期:会社の文化づくり

1on1の実施にはいくつかの守るべきポイントがありますが、それ以外は企業ごとに自由なやり方で進めることが可能です。どのような企業でありたいのか、理念に基づいた行動とはどのようなものなのか。1on1を通してメンバーに伝え浸透させていくことで、企業の文化を醸成していくことができます。

2.1on1が注目される背景

この10年で急速に普及した1on1。企業が導入している背景には、いまの時代だからこその多くの課題がありました。

<業務マネジメント>

  • 成果主義による目標の複雑化
  • 営業成績以外の成果も数値化し評価する必要性
  • 業務内容の多様化でリーダー/メンバー同士がそれぞれの業務を把握しきれない
  • メンバーの成果を上げることによる生産性向上

<人材マネジメント>

  • 個性に合わせたマネジメントの必要性
  • 心理的安全性の担保
  • メンバーのエンゲージメント向上
  • 離職を防ぐメンタルケアのニーズ
  • リモートワークによるコミュニケーションの不足

事業の多様化やIT化によって職種自体が増え、かつては「営業」だった業務が「インサイドセールス」「フィールドセールス」「マーケティング」「カスタマーサクセス」などに細かく分類されるようになった現在。

さらに年功序列での昇給システムは受け入れられなくなり、年齢に関わらない成果主義が求められるようになったことで、上司はメンバーの業務を把握することも、正確に評価することも難しくなってきています。

契約件数のようなわかりやすい数字だけで成果を測ることができない一方、目に見える数値と数値では測れない会社への貢献、どちらも評価に含むことが必要。複数のメンバーを抱えるチームリーダーにとっては、通常業務の中でこれらの評価を正しく行うことは不可能に近いのです。

また少子高齢化による人材不足、転職へのハードルが低くなってきたことなどにより、既にいる人材の離職を防ぐことも企業にとって大きな課題です。

このような課題に対応するためには、もちろん企業全体でのさまざまな取り組みも必要です。一方でまずは目の前の一人ひとりに向き合う対策として、1on1は有効な施策なのです。

3.1on1実施の3大原則

1on1はただ上司とメンバーが、1対1でミーティングを実施すれば良いものではありません。むしろ場合によっては両者の溝が深まってしまうことも。あるいは1on1を繰り返すことにより当初の目的を見失い、ただ集まって喋るだけのミーティングになってしまう場合も実はよくあります。

そうならないために、まず守るべき3つの大原則があります。

(1) ニーズにマッチ:メンバーのニーズを満たす時間にすること

企業としての目的はもちろんありますが、1on1は基本的に“メンバーのために”使われる時間。上司が必要な情報ばかり聞かれて、自らの課題や聞いてほしいことを話せなければ、信頼は生まれません。メンバーの求めていること、解決したいことを聞き、ニーズを満たせる時間にしましょう。

(2) 成果につなげる:仕事の進捗をサポートし、経験学習サイクルを回し続けること

1on1は業務の全体的な状況を把握する目的はありますが、細かな案件一つひとつについて確認するものではありません。業務のプロセスと結果を把握し、成果目標に対するアプローチが適切かどうかを確認します。そこで出た課題に対して上司のサポートを受けながら改善策を模索し、1on1の終了時には、常に何らかの「行動」か「学び」がある状態を目指します。

(3) テーラーメイド:メンバーごとに柔軟に個別対応すること

1on1の目的のひとつは、個性に応じたマネジメントを行うこと。例えばメンバーが重視する価値観は、自らの成果なのかチームワークなのか、行動派なのか慎重派なのかなど。それぞれの個性を把握して尊重し、メンバーに合わせた対応をすることが重要です。

4.1on1で扱う11のテーマ

いざ1on1を実施する場面になっても、具体的にはどのような話題を振れば良いのかがわからない、どういう聞き方をすれば良いかわからない、といった悩みは上司・メンバーともにあるでしょう。

ここでは代表的な11のテーマと具体例をご紹介します。テーマも聞き方も状況によって臨機応変に対応する必要はありますが、まずは以下を参考にしてみてください。

1on1で扱う11のテーマと具体例
1on1で扱う11のテーマと具体例

5.1on1の進め方

度々お伝えしていますが、1on1の大きな目標は成果につなげること。毎週ただ漫然とミーティングを行うのではなく、1年・半期・四半期などでタームを切って、目標設定から振り返りまでを計画的に実施しましょう。

ここでは1ターム全体での1on1の進め方と、最も中心となる定例1on1の細かな進め方をご説明します。

5-1.1タームでの1on1全体構造

1タームにおける1on1の全体構造は、4つのステップに分かれています。

1on1の全体構造
1on1の全体構造

(1)目標設定1on1

1on1は成果目標と連動していることが共通認識であることを確認した上で、上司が主導となって目標設定を行います。

(2)導入1on1

1on1の目的や原則、基本的なルールなどを、上司が主導して確認します。メンバーに対しては、この1on1をどのように活用したいかのニーズを聞きましょう。

(3)定例1on1

目標に向けた定例の1on1は、メンバー主導で行います。11のテーマを参考にしながら、自らの状況や課題の共有をし、上司と共に解決に向けたアクションを話し合いましょう。

(4)振り返り 1on1

1タームの最終回で、全体の振り返りを上司が主導で行いましょう。目標に対する振り返りと、1on1そのものに対する振り返りを実施します。まずはメンバーの自己評価を聞き、次に上司の見立てをフィードバックしてください。

5-2.定例1on1の進め方

定例1on1は大きく3つのパートに分けて、それぞれの時間配分をしっかりと決めて行います。例えば30分の場合、以下のような時間配分にすると進めやすいでしょう。

定例1on1の進め方
定例1on1の進め方

(1)傾聴ステージ

主に関係構築やテーマの把握のための時間です。上司はとにかくメンバーの話を聞き、ニーズを漏らさないように気をつけます。体調への気遣いや雑談から始め、前回のおさらいなどをした上で、今回のテーマを設定しましょう。

(2)会話ステージ

初めに聞いた今回のテーマについて話し、必要なサポートについて確認します。一方的な意見やアドバイスではなく、双方が発言し合う対話をすることを意識してください。

(3)まとめステージ

定例1on1のゴールである、「学び」や「行動」について考える時間です。今回の内容をまとめて、次回のアクションプランの設定や相手への鼓舞も行いましょう。このパートが1on1の効果につながります。

6.1on1を成功させるポイント

気軽に始められそうですが、きちんと効果を出すには意外と注意すべき点が多い1on1。これまでお話ししたものもまとめて、最後に成功のポイントをお伝えします。

(1)メンバーに任せず、上司主導で行う

1on1は、メンバーの成果を上げるための時間。上司が「時間をつくってあげている」という認識にならず、メンバーに「時間をもらっている」意識で実施しましょう。

(2)目標設定と1on1を連動させる

最初に設定した目標を常に追いかけながら、1on1を実施しましょう。関係のない課題ばかりに集中したり、成果目標が意味をなさない状態になってはいけません。

(3)「傾聴」する

メンバーから共有があった事柄に対しては、決して否定をせず、相手の気持ちに共感して受け入れる「傾聴」を心掛けましょう。

(4)仕事はプロセスとアウトプットの両面をあわせて成果と定義する

仕事は結果が全てという意見もありますが、どのようなプロセスでアウトプット(売上など)に辿り着いたかはやはり重要です。プロセスの改善によって生産性が上がれば企業の利益につながりますし、独自のプロセスが他のメンバーの学びになることもあります。成果は数値上のアウトプットだけではなく、プロセスも含めたものと定義しましょう。

7.最後に

1on1は企業のさまざまな課題の改善策になるとともに、社員にとってもより生産性高く成果を上げるための助けとなります。一方で社内共通の指針がないまま運用を始めてしまうと、1on1の時間が軽視されたり、「仕事が忙しいから」といって実施されなくなることも。

現在1on1を実施中の方は、ただ上司とメンバーが話せば良い時間と考えるのではなく、使っている時間分の効果を発揮できるようにポイントをおさえて臨みましょう。

社内に1on1を浸透させたいと考えている人事の方は、マネジメント層にただ1on1の実施を依頼するのではなく、その重要性やポイントをしっかりと説明するようにしてみてください。

社員の成果を上げることで人材育成にもつながり、最終的には企業の利益にもつながる1on1。この記事も含め多くの情報や書籍を参考にしながら、正しく運用していただければ幸いです。

▼ビズリーチでは、1on1を効果的に運用するための支援ツールを提供しています。
 詳細はこちらをご確認ください。

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